
新学期・夏休み明けの登園渋り(行き渋り)どうする?原因と家庭でできる対応

長い夏休みも、もうすぐ終わり。
幼稚園やこども園に通うお子さんのママ・パパは、毎日のお昼ご飯づくりや、こどもとの時間など、本当にお疲れさまでした。
夏休みをなんとか乗り切ってホッとしたのも束の間、
「うちの子、ちゃんとまた園に行けるかな……」
と、胸がざわざわしていませんか?
夏休み明けや新学期になると増えやすいのが、「登園渋り(行き渋り)」です。
「朝、なかなか着替えてくれない」
「『お腹が痛い』『行きたくない』と泣いてしまう」
「夏休み前は普通に通えていたのに……」
そんな様子が見られると、ママ・パパも心配になりますよね。
今回は、なぜ夏休み明けに登園渋りが起こりやすいのかを考えながら、こどものこころに寄り添い、親子で新学期を無理なくスタートするための具体的なヒントをご紹介します。
「夏休み中、甘やかしすぎたかな?」
「夜更かしさせすぎたせい?」
そんなふうに考えてしまうママ・パパもいるかもしれません。
でも、こどもにとって新学期は、私たちが想像する以上にエネルギーが必要な時期です。
登園渋りにつながりやすい理由を、大きく3つに分けて考えてみましょう。
夏休みは、自分や家族のペースで過ごすことができていたのに、新学期が始まると園のスケジュールや集団行動に合わせる生活に戻ります。
しばらくマイペースに過ごしていたこどもにとって、生活リズムや環境が大きく変わることは、それだけでも負担になります。
「これから何をするの?」「次はどうなるの?」という見通しの立たなさが、不安につながることもあります。
園には、お友達の声、明るい照明など、さまざまな刺激があります。
夏休み中、自宅など比較的落ち着いた環境で過ごしていたこどもにとって、久しぶりの園の環境は刺激が多く、疲れてしまうことがあります。
特に刺激に敏感なこどもにとっては、久しぶりの集団生活そのものが大きなエネルギーを必要とします。
新学期の登園渋りで、ママ・パパを悩ませやすいのが「朝の身支度がなかなか進まない」ということです。
朝は、
など、やることがたくさんあります。
大人にとっては毎日のルーティンでも、こどもにとっては、たくさんの工程が詰まった難易度の高いタスクです。
さらに、「これをやったら園に行かなければならない」という現実が近づいてくるため、余計に体が動かなくなったり、時間をかけたりして抵抗することもあります。
決してサボっているわけではありません。
環境の変化に一生懸命適応しようとして、こころが悲鳴をあげているサインなのだと捉えてみてください。
「新学期になったら行き渋りが起きるかも……」
そう感じている場合は、夏休み中から少しずつ「こころの準備」をしておくことで、新学期の環境変化を和らげることができます。
すでに取り入れているご家庭も多いかもしれませんが、3つのアイデアをご紹介します。

「早く着替えて!」「次は歯磨き!」
と、朝から何度も声をかけ続けると、言う方も言われる方も疲れてしまいます。
そこでおすすめなのが、「朝のやることボード」です。
「着替える」→「うがいをする」→「ご飯を食べる」など、朝の手順をイラストや写真にしてみましょう。
終わったらマグネットをひっくり返して「できた!」にする方法もあります。
やることが目で見て分かることで、こども自身が「次は何をすればいいのか」を判断しやすくなります。
タイマーやスマートスピーカーなどに、代わりに知らせてもらうのもいいですね。
少しでも朝のイライラが減りますように。
夏休み中に少し乱れてしまった睡眠リズムを、新学期の前日にいきなり戻すのは難しいものです。
新学期が始まる少し前から、
「毎日15分ずつ早く寝て、15分ずつ早く起きる」
など、無理のない範囲で少しずつ生活リズムを戻していきましょう。
「いつから園が始まるの?」
そんな不安を減らすために、カレンダーに「園が始まる日」を大きくマークしてみましょう。
「あと〇回寝たら、先生やお友達に会いに行こう」
と一緒にカウントダウンすることで、少しずつこころの準備をすることができます。
会いたいお友達や好きな遊びなどについて話しながら、楽しみにできることが見つかるといいですね。
どんなに準備をしていても、新学期初日や最初の1週間に、
「行きたくない!」
という気持ちが爆発することはあります。
そんなとき、ママ・パパはどう対応すればよいのでしょうか。
「どうして行けないの?」と聞かれても、こども自身も不安の理由をことばにできないことがあります。
力づくで連れて行くことで、園そのものへの不安や恐怖が強くなり、登園渋りが長引いてしまう可能性もあります。
すでに十分がんばっているこどもにとって、「もっとがんばれ!」ということばがプレッシャーになることもあります。
「そっか、行きたくないんだね」「おうちがいいよね」
まずは、不安な気持ちに共感してみましょう。
自分の気持ちを受け止めてもらえることで、こどもは「味方がいる」とホッとすることができます。
普段なら自分でできる着替えや準備も、新学期は少し甘えさせても大丈夫。
「片足だけズボンを通すね」など、手伝いながらハードルを下げてあげましょう。
「〇時になったら出発しよう」
「お弁当の前までで帰ってこよう」
など、「行けるか、行けないか」の0点・100点で考えず、30点くらいでもOKという選択肢を持っておくと、親子ともにプレッシャーを軽くすることができます。
こどもに登園渋りがあると、
「先生に迷惑をかけたくない」
「親のしつけ不足だと思われたらどうしよう」
と、ママ・パパだけで抱え込んでしまうことがあります。
でも、新学期の登園渋りは、先生と一緒にこどものことを考えるきっかけにもなります。
朝の忙しい時間に電話をするのは気が引ける……という場合は、連絡帳を活用してみましょう。
ポイントは、現在の様子をありのまま共有し、園での見守りをお願いすることです。
『夏休み明け、環境変化への不安があるようで、朝の身支度が進まなかったり「行きたくない」と泣くことがあります。今朝はなんとか登園できましたが、少し気にかけて見ていただけると幸いです。よろしくお願いします。』

このように伝えておくことで、先生にも「今日は少し不安が強いのかな」と気づいてもらいやすくなり、無理のないペースで過ごすための対応につながります。
登園渋りが長引いたり、おうちでの荒れ方が激しかったりする場合は、園の先生だけでなく、こっこなど現在利用している事業所の担当スタッフや相談員、こども発達センターなどにも相談してみてください。
「こんなことで相談していいのかな?」
と思うようなことでも、相談することで新しいアイデアが見つかることがあります。
また、誰かに話すだけでも、ママ・パパの気持ちが少し軽くなるかもしれません。
夏休み明けの登園渋りは、こどものワガママでも、ママ・パパの育て方のせいでもありません。
環境の変化に一生懸命適応しようとしているこどもからの、
「ちょっと疲れちゃった」
というサインなのかもしれません。
朝、身支度が進まず、イライラしてしまう日もあると思います。
そんなときは、
「今日、園に行けたら100点」
ではなく、
「パジャマから着替えられたから30点!」
「玄関まで行けたから50点!」
と、小さなハードルをクリアしたこどもと、そこまで一緒にがんばったママ・パパを、たくさん褒めてあげてくださいね。
新学期はもうすぐ。
焦らず、比べず、ご家族のペースで、ぼちぼち歩んでいきましょう。
あなたの一歩を、みんなが応援しています。