
お絵描きから見えてくる、発達のサイン
― 療育の現場で、私たちが大切にしていること ―
療育の現場でも、「お絵描き」はよく取り入れられる活動のひとつです。
でも、私たちが見ているのは、完成した絵ではありません。
最初は、クレヨンを持っても描かずに、紙をびりびり破っていたAくん。
保護者の方は「描けないのでは」と心配されていました。
けれど実はこの時期、Aくんは
を全身で味わっていました。
しばらくすると、破った紙の上に線を引くようになり、
さらに時間をかけて、紙に向かってクレヨンを動かす姿が増えていきました。
👉 「描く前の育ち」が、ちゃんと進んでいたのです。
Bちゃんは、何度も何度も「点」だけを描いていました。
周囲から見ると「まだ丸も描けないの?」と思われがちですが、
この点描には
が育っているサインがたくさんありました。
ある日、点と点が線でつながり、
「おめめ!」と笑顔で教えてくれた瞬間がありました。
👉 表現は、ある日突然“形”として現れることがあります。
Cくんは、クレヨンを並べては色を選び、また戻す…を繰り返していました。
描くことにはなかなか手が伸びません。
この時、Cくんの中では
という、とても大切な発達が起きていました。
無理に「描こう」と促さず、
「どの色にする?」と関わり続けたことで、
少しずつ紙に色が置かれるようになっていきました。
👉 描かない時間も、発達の一部です。
お絵描きには、こんな発達が重なっています。
だからこそ、
「同じ年齢なのに違う」
「昨日よりできない」
そんな比較で、判断する必要はありません。
お子さんのお絵描きを見たとき、ぜひこんな言葉をかけてみてください。
「いっぱい描いたね」
「この色、好きなんだね」
「今日はここまででいいね」
評価ではなく、その子の今を受け取る言葉が、
次の一歩につながっていきます。
お絵描きは、
こどもが今、どんな発達の途中にいるのかを教えてくれる大切な手がかりです。
わんぱく会では、これからも
「できるようにする」よりも
「育ちを信じて待つ」ことを大切に、
保護者の皆さんと一緒に、こどもの成長を見守っていきます。