
【おもちゃを取る・全部ほしい!】幼児のこだわり行動の理由と関わり方
「おもちゃを取ってしまう」
「全部持って帰りたいと言って譲らない」
「同じおもちゃばかり使いたがる」
幼児期のお子さんの遊びの中で、こんな困りごとを感じることはありませんか。
発達支援の現場でも、こうしたご相談はとても多く寄せられます。
実際に認定NPO法人発達わんぱく会でも、こうした遊びやおもちゃに関する悩みは頻繁に聞かれるテーマです。
しかし、このような行動は単なる「わがまま」ではなく、
子どもの発達の特徴や安心感につながる行動として見られることもあります。
今回は、幼児期に見られる「おもちゃへのこだわり」や「全部ほしい」という行動の背景と、家庭や支援の現場でできる関わり方をご紹介します。
子どもが物を集めたり、同じものに強くこだわったりするのには理由があります。
例えば次のような背景があります。
● 安心感を得たい
お気に入りのものがあることで気持ちが落ち着きます。
● 見通しを持ちたい
同じ遊びや同じ物を使うことで安心して過ごせます。
● 揃えることが楽しい
数が揃うことで達成感を感じることがあります。
特に、発達の特性を持つお子さんの場合、
環境の変化や予測しにくい状況に不安を感じやすく、
自分なりのルールや集める行動が安心につながることもあります。
幼児期は、友達との関わり方を学ぶ途中の時期です。
そのため、
・おもちゃを取ってしまう
・貸し借りが難しい
・順番が待てない
といった姿は珍しいことではありません。
遊びの中で、
「順番」
「貸して」
「あとでね」
といったやり取りを少しずつ経験することで、
社会性が育っていきます。
実際に発達わんぱく会のグループ療育でも、
遊びの中でおもちゃの貸し借りやルールを学ぶ経験を大切にしています
では、大人はどのように関わればよいのでしょうか。
療育の現場では、次のような工夫を取り入れています。
「このトレーに入る分だけ持っていこうね」
物理的な範囲を決めることで、
子どもも納得しやすくなります。
また「どれを持っていくか」を自分で選ぶ経験にもつながります。
「今日は使わないけど、写真に撮っておこうね」
この方法は、
・また会える安心感
・気持ちの切り替え
につながります。
「今日のおもちゃ係をお願いしていい?」
役割を与えることで、
・紹介する楽しさ
・選ぶ楽しさ
が生まれ、独占する気持ちがやわらぐことがあります。
「こだわり」や「集める行動」は、見方を変えると
・集中力
・観察力
・探究心
といった子どもの強みにもつながることがあります。
大切なのは、
否定するのではなく、生活の中で活かす方法を考えることです。
「なんでそんなにこだわるの?」
と感じる場面でも、
「この子にとって、何が大切なんだろう?」
と、少し立ち止まって考えてみることが、
子どもとの関係づくりの第一歩になります。
発達わんぱく会では、
子どもの「好き」や「安心したい」という気持ちを大切にしながら、
無理のない形で社会とのつながりを広げていく支援を行っています。
子どもの発達は一直線ではありません。
できる日もあれば、うまくいかない日もあります。
行きつ戻りつを繰り返しながら、少しずつ育っていきます。
「待てた」
「譲れた」
「自分から声をかけられた」
そんな小さな経験の積み重ねが、
やがて周りの人と気持ちを共有する力につながっていきます。
「あの子、周りが見えていないのかな」
そう感じたときは、“今は育ちの途中なんだ”と思い出してみてください。
そして同時に、悩みながら関わっている大人も、同じように成長の途中です。
一人で抱え込まず、
誰かと一緒に考えながら、子どもの育ちを見守っていけたらと思います。