ベトナム研修同行レポート2
開設・運営支援にて職員研修の講師を行っているスタッフより
助成金の規約などを踏まえ、日本でできる限りの準備を重ねて臨んだ今回の研修。
それでも現地に着くと、初日から大雨による冠水で予定通りには進みませんでした。
「ベトナムを知る」ことを目的に、小田さんの計らいで複数の施設を見学予定でしたが、2施設は実施できたものの、残りは断念。
療育施設では、個別療育の場がパーテーションで区切られ、物を操作しながらやりとりする姿が見られました。運動療育では、タイヤや平均台、ランニングマシンなどを使って体幹を鍛え、集団療育では中秋節に向けたお面づくりをしていました。
日本の現場と似た雰囲気もありつつ、「やらせる」ような印象も受け、文化や支援スタイルの違いを感じました。
Ame Houseでの研修がスタート。
講義(こっこ・エフバイタル)と実技(こっこ)を行いましたが、移動は冠水の影響で大渋滞。午後からの開講式・講義・実技は急ピッチで進行し、まさに「臨機応変」がキーワードでした。
私が担当したのは「自閉スペクトラム症(ASD)について」の講義と実技のリーダー。
子どもたちは7〜18歳の男子5名で、集中力の持続が難しい様子もあり、講義はテンポよく1時間程度に調整。現地スタッフも体験を通して理解を深める様子が見られました。
実技では、バンダナ(シフォンの代替)、折り紙、楽器、新聞紙、フラフープなどを使いながら、子どもたちやスタッフと一緒に活動。
最初は緊張もありましたが、遊びを通じて少しずつ笑顔が増えていきました。
「やらせよう」としてしまうスタッフに、「まずは楽しんで」と伝えることで、自然と遊びが広がり、やがて綱引きや“人間かぶ抜き”のような展開へ。
国が違っても、子どもが遊びの中心であることは変わりませんでした。
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2日目からは、動くスタッフと観察するスタッフに分け、活動を整理。
それぞれが役割を担い、自然なチームワークが生まれました。
後半は折り紙でメダルやカエルを作ったり、太鼓やベルで音遊びをしたり、新聞紙で遊んだり。湿気のせいで破れにくい新聞紙も、子どもたちは笑いながら楽しんでいました。
フラフープを使った運動では、体の使い方を工夫する姿もあり、集団療育の面白さを改めて実感しました。
2日間室内で活動していた子どもたちが「プールに入りたい」と訴えた場面もあり、現地のスタッフと相談して入水活動を実施。冷たい水に触れながらも、子どもたちの笑顔が広がる貴重な時間になりました。
施設お披露目を兼ねたイベントに参加。大雨の影響もあり、当日の参加者数は直前まで分からずでしたが、多くの親子が来場。自由参加形式のフェスティバルで、それぞれが思い思いに楽しんでいました。
園内は坂道や砂利道、水牛の糞(!)まである凸凹の地面。まるで毎日が感覚統合のトレーニングのようです。
裸足や草履で走り回る子どもたちのたくましさに、強い生命力を感じました。
振り返ると、「郷に入れば郷に従え」
その中で、私たちが大切にしている「子どもを中心に、無理なく・楽しく」を少しでも伝えられたのではないかと思います。
これからどのようにこのつながりが広がっていくのか楽しみです。
次に現地へ行く方々のヒントになれば幸いです。
またお会いできる日を楽しみにしています。