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お知らせ

【開催報告】デコボコベースでの講演より

                                             ~子どもの今と未来をつなぐヒント~

2025年9月7日、デコボコベースの研修会にて、当法人理事長・小田知宏が「発達に特性のある子どもの『これから』を考える」をテーマに講演を行いました。

自身の保育士・公認心理師・社会福祉士としての経験をもとに、発達のデコボコを抱える子どもたちの「今」と「これから」を、保護者や支援者とどうつないでいくかについて語りました。

「今」は途中経過、子どもはこれから伸びる存在

講演の冒頭、小田は「発達は成長の途中」と強調。目の前の困りごとにとらわれすぎず、脳の柔軟さや子ども一人ひとりの成長スピードを信じて見守る大切さを伝えました。話すのが遅くても、感情表現が未熟でも、それは「一時的なアンバランス」であることが多いといいます。

支援の選択肢は一つではない

就学相談や進学先についても、通常学級・特別支援級・支援学校など多様な選択肢を紹介。制度上の仕組みだけでなく、子ども自身の安心感や先生・友人との相性といった「環境とのマッチング」を重視するよう呼びかけました。

「毎年見直せる選択だからこそ、柔軟に構えてよい。迷うことがあれば、学校や支援機関と一緒に考えていきましょう」と語りかけました。

学ぶ力を育てるために、個性に応じた工夫を

「勉強が苦手=能力が低い」ではなく、「やり方が合っていない」だけかもしれません。認知特性(情報処理の傾向)に合わせて、図やイラストの活用、音声入力、ゲーム感覚の教材などICTを活用した支援方法も紹介されました。

また、「昨日の自分と比べる」小さな成功体験の積み重ねが自尊感情を守る鍵だと伝え、会場には大きな共感の声が広がりました。

保護者にできる“子どもの応援団”としての役割

最後に、保護者だからこそできる支援として「安全基地になること」「子どもと一緒に楽しむ姿勢」「気持ちを聞いてもらえる居場所をもつ」など、日常でできる小さな積み重ねの大切さが語られました。

子育てを「頑張る」だけでなく、「一緒に楽しむ」ことが、子ども自身の安心感や自己肯定感につながる――そのメッセージが多くの参加者の心に届いたようです。

この講演は、保護者や支援者にとって「不安」ではなく「見通し」を持てる時間になりました。今後も発達わんぱく会は、子どもたちの成長と保護者の支えあいに貢献する活動を続けてまいります。

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