【座っていられない】“困った”ではなく“サイン”かも?
監修:小田知宏(発達わんぱく会理事長)
最終更新日:2025年7月29日
「うちの子だけ園でじっと座っていられないんです」──これは、年間約200名の保護者の方々から寄せられるよくあるご相談のひとつです。日々の生活の中で、こどもとの関わりに戸惑い、不安を抱える声が数多く届いています。
実は、座っていられないのは「わがまま」や「甘え」ではなく、お子さんが困っているサインかもしれません。本記事では、発達わんぱく会(累計2,109人・10万回超の療育実績)が取り組んできた「座れない理由」とその対処法をわかりやすく解説します。
お子さんが座っていられない背景には、以下のような理由があります
足が床につかず姿勢が安定しない
感覚過敏による不快感
見通しが持てない不安
多動性・衝動性の特性
年齢 一般的な目安時間 発達に配慮が必要な場合 出典
3歳 約 6〜15分 約 3〜7分 Bearfoot Occupational Therapy(米)
4歳 約 8〜20分 約 5〜10分 Butterfly Learnings(インド)
5歳 約 10〜25分 約 7〜15分 Naître et Grandir(カナダ)
各サイト共通平均より算出(上記)
※個人差があるため、あくまで目安としてご参考ください。
(例えば)足台を設置する
(例えば)視覚的タイマーを使用
(例えば)絵カードで活動の流れを提示
座ってできた行動を褒める
年齢 | 開始目安 | 延長ステップ(例) |
---|---|---|
3歳 | 3分 | 1〜2分ずつ延長 |
4歳 | 5分 | 2分ずつ延長 |
5歳 | 7分 | 2〜3分ずつ延長 |
6歳 | 10分 | 3分ずつ延長 |
※その日の気分や体調、活動内容により日々変わります。
お子さんの様子について、次のような状況が見られる場合は、小児科や発達相談など専門機関へのご相談
を検討してみてください
年齢・学年区分 | 発達の特性がある可能性 | 出典 |
---|---|---|
幼児(5歳) | 約 3.2%(ASD) | 日本の5歳児対象研究(2022年) |
小学生 | 10.4% | 文部科学省(2022年) |
中学生 | 5.6% | 文部科学省(2022年) |
高校生 | 2.2% | 文部科学省(2022年) |
「座っていられない」「立ち歩いてしまう」行動には、ちゃんと理由があります。
大切なのは、叱るのではなく「どうしたら座れるか」を一緒に考えること。
原因を知る
→ 「できない理由」があるかも?(例:姿勢が不安定、先がわからなくて不安)
環境を整える
→ 足台を使う、椅子を調整する、見通しを伝えるなど
スモールステップ
→ 少しずつできたことを一緒に喜ぶ!
焦らず続ける
→ すぐにできなくても大丈夫。子どものペースがいちばん。
小さな「できた!」が、自信とやる気につながります。
発達わんぱく会は、その一歩を応援しています。
免責事項
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療の代替となるものではありません。お子さんの状況に応じて、
必ず専門家にご相談ください。