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【座っていられない】“困った”ではなく“サイン”かも?

監修:小田知宏(発達わんぱく会理事長)
最終更新日:2025年7月29日

「うちの子だけ園でじっと座っていられないんです」──これは、年間約200名の保護者の方々から寄せられるよくあるご相談のひとつです。日々の生活の中で、こどもとの関わりに戸惑い、不安を抱える声が数多く届いています。

実は、座っていられないのは「わがまま」や「甘え」ではなく、お子さんが困っているサインかもしれません。本記事では、発達わんぱく会(累計2,109人・10万回超の療育実績)が取り組んできた「座れない理由」とその対処法をわかりやすく解説します。

目次
  1. なぜこどもは座っていられないのか?
  2. 何歳ごろから座れるようになることが多い?
  3. 座るための工夫や心得
  4. もしかしたら…? 気になる様子と相談の目安
  5. まとめ:困りごとは成長のきっかけに
  • 1.なぜこどもは座っていられないのか?
  • お子さんが座っていられない背景には、以下のような理由があります

    身体的な理由

    足が床につかず姿勢が安定しない

    • 体幹の弱さにより、姿勢保持が困難
    • 適切な椅子の高さや机の高さでないため、落ち着かない
    感覚的な理由

    感覚過敏による不快感

    • 椅子の素材や硬さが不快
    • 服と椅子の摩擦音が気になる
    認知的な理由

    見通しが持てない不安

    • いつまで座るのか分からない
    • 次に何をするのか理解できていない
    神経発達的な理由

    多動性・衝動性の特性

    • ADHD(注意欠如・多動症)の可能性
  • 2.何歳ごろから座れるようになることが多い?
  • 🪑 年齢別 座位保持時間の目安(一般・配慮が必要な場合)

     年齢  一般的な目安時間  発達に配慮が必要な場合   出典

     3歳      約 6〜15分       約 3〜7分     Bearfoot Occupational Therapy(米)   

     4歳      約 8〜20分         約 5〜10分      Butterfly Learnings(インド)                                         

     5歳   約 10〜25分      約 7〜15分     Naître et Grandir(カナダ)

                             各サイト共通平均より算出(上記)

    ※個人差があるため、あくまで目安としてご参考ください。

  • 3.座るための工夫や心得
  • 環境を整える

    (例えば)足台を設置する

    • 足が床につくことで体が安定
    • 100円ショップ等の踏み台でもOK
    時間を可視化する

    (例えば)視覚的タイマーを使用

    • 残り時間が一目で分かる工夫
    • 砂戸時計や好きな曲が終わるまで等の理解しやすいもの
    スケジュールを見える化

    (例えば)絵カードで活動の流れを提示

    • 次の活動への見通しが持てる
    • 不安が軽減される

    座ってできた行動を褒める

    • 「お絵かき、最後まで座ってできたね」→達成感と自己肯定感の向上
    • 「座って先生のお話、ちゃんと聞けてたね」→次への意欲につながる
    •  「座る」ことが目的ではなく、“座って〇〇できた”という成功体験を強調

    🪑 スモールステップでの座る時間の目安(発達に配慮が必要な場合)

    年齢 開始目安    延長ステップ(例)
     3歳   3分 1〜2分ずつ延長
     4歳  5分     2分ずつ延長
     5歳  7分 2〜3分ずつ延長
     6歳  10分      3分ずつ延長

    ※その日の気分や体調、活動内容により日々変わります。

  • 4.もしかしたら…? 気になる様子と相談の目安
  • お子さんの様子について、次のような状況が見られる場合は、小児科や発達相談など専門機関へのご相談

    を検討してみてください

    • 物事に注意を向ける時間が極端に短い
    • 危険な行動を繰り返す
    • 指示が入りにくい
    • 順番を待つことが極端に苦手
    • 感覚の過敏さ・鈍さがある
    • 同年齢の子と比べて明らかに「落ち着きがない」
    • 園や学校から「集団行動が難しい」など、繰り返し連絡がある
    • 本人が「行きたくない」「怖い」「いやだ」と強い困り感を言葉や行動で示している
    • ご家庭の生活に大きな影響が出ており、保護者が疲れや不安を強く感じている
    年齢・学年区分 発達の特性がある可能性   出典
     幼児(5歳) 約 3.2%(ASD) 日本の5歳児対象研究(2022年)
     小学生   10.4% 文部科学省(2022年)
     中学生     5.6% 文部科学省(2022年)
     高校生     2.2% 文部科学省(2022年)
    5.まとめ:困りごとは成長や気づきのきっかけに

    「座っていられない」「立ち歩いてしまう」行動には、ちゃんと理由があります。

    大切なのは、叱るのではなく「どうしたら座れるか」を一緒に考えること。

    原因を知る
     → 「できない理由」があるかも?(例:姿勢が不安定、先がわからなくて不安)

    1. 環境を整える
       → 足台を使う、椅子を調整する、見通しを伝えるなど

    2. スモールステップ
       → 少しずつできたことを一緒に喜ぶ!

    3. 焦らず続ける
       → すぐにできなくても大丈夫。子どものペースがいちばん。

    1. 小さな「できた!」が、自信とやる気につながります。
      発達わんぱく会は、その一歩を応援しています。


    相談窓口

    • 電話:【070-3353-5088】
    • 受付時間:【火~金 9:00~17:00

    初回相談は【無料】です。オンライン相談も承っております。

    免責事項

    この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療の代替となるものではありません。お子さんの状況に応じて、

    必ず専門家にご相談ください。

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